あなたに必要な栄養素

なんか、無重力もテキストだけになると季節感とか感じれないよね。
前は夏なら水色の文字、冬ならオレンジ色の文字とかやってたんですよ。
ver2だと文字の色も背景の色もずっといっしょだからなー。
背景が紺色だし、なおさら宇宙にいるような気持ちだよね。
宇宙ステーションにいると季節を感じないんだろうな。

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さてさて、「ほかの人の作品から影響を受ける」という話をしたいー。

学生さんの中にこんな人いませんか?
「影響を受けるのは嫌だから、他の人の作品とか過去の名作とか見たくない」
クラスに一人くらいいますよね。
言わないまでもこっそり思ってませんか。
それに対してアドバイスを。

影響を受けるというのはいいことです。
大抵は影響をうけた先に個性を見出します。
その影響の受け方のコツを書きます。

黒坂圭太先生(僕の武蔵美時代の先生)のお言葉

「人の作品から影響を受けるというのは
自分に必要な栄養素を発見して
それを摂取するということ」

上手いこと言います。

そう、影響を受けるというのは外からの一方的な作用だけではないのです。
「その作品から影響を受けるという個性」を持っているということなんです。
だって、同じ作品を見てもそこから影響を受ける人と受けない人がいるでしょ?
それって他人と自分が違うってことでしょ?
それって個性でしょ?

そもそも「あ、これかっこいい」とか思わなかったら影響を受けないですよね。
自分が見つけようと思っていたお宝がたまたま先に誰かが持っていただけで、
そのお宝に価値を見るのはあなたの個性。
(先に見つけることの価値はありますが、ちょっとそれは置いといて)

影響をうけるということは、すでに影響を受けるように自分がなっていたということなんです。

とわいえ、何も考えずに影響を受けるのはよくないです。
僕が思う「ちゃんとした影響の受け方」を。
まずは、その作品が良いと思った時に
どこが良いと思ったのかを分析したほうが良いです。
例えばある映画のワンシーンがいいなと思った時に
役者の表情がよかったのか
セリフがかっこよかったのか
アングルがグッときたのか
色みが素敵だったのか。
タイミングや間がよかったのか
ストーリーの流れがよかったのか。

事細かな理由があるはずなんです。
それら全部を合わせて「なんとなくかっこいい」と思ってしまいがちですが、
良いと思った理由を分かってないとただ全部を丸パクリしてしまって、
良い部分だけでなく「本当は良いと思ってない普通の部分」まで影響を受けてしまいます。

そしてもっとも大事なアドバイスは
「影響を受けるなら、逆にたくさんの作品を見よう」
ということ。

複数の作品をみて、それぞれいいところを分析すれば
共通するところが分かってくるはず。
その共通部分が自分がめざすべき個性なわけです。
これは1つの作品だけみて分析してもわかりにくいわけです。
複数の作品を見て、それぞれ似ている部分や似ていない部分があって
自分が魅かれるところと、魅かれないところがある。
それらを見比べた時に、自分の好きなものがより明確になっていく。

あとですね、1つの作品から影響を受ける個性よりも
複数の作品から受ける個性のほうが、より独自性があるのです。

だってさ、「ワンピースから影響を受けました!」っていうとさ
そういう人ってたくさんいるでしょ。
でも「ワンピースと、これと、これと、これから影響を受けました!」っていうとさ
まったく同じ組み合わせから影響を受けた人っていうのはいなくなるでしょ?

あ、それとあわせて言いたいのは
「他の人とは違う影響の受け方をする」という裏技。
漫画を描くなら漫画以外から影響を受けるとそれは完璧に個性と呼ばれるでしょう。
荒木飛呂彦先生はファッションや音楽(主にプリンスかららしいですが)から影響を受けていて、
漫画からしか影響を受けない人よりも断然に個性的。

これさ、漫画『アオイホノオ』に似た話があるんだよね。
ホノオくんが他の漫画からパクろうとするときに
「1つの漫画からパクると、バレるから
いろんな漫画からちょっとずつパクって
オリジナルブレンドを作るんだ!」
っていう話。
この漫画はギャグだし皮肉なものが多いんだけど
このパクリ方はうまくいけば本当にオリジナルになると思うんです。

パクるとアレンジするの違いについてはまたの機会にしよう。
似た話になるけど。
似た話だけど違う言い回しな日記をいっぱい書いていこう。

ではでは。