泰人の作品」カテゴリーアーカイブ

ヤクルトのケール&フルーツ スムージー

お仕事の報告2つめです。
ちょっと前からYouTubeの広告動画として流れていたそうなんですが、ヤクルトのスムージーの動画を監督&アニメーターをやってきました。

『跳ねるフルーツ篇』

『空飛ぶケール編』

ケールという栄養たっぷりな植物のスムージーで他にもリンゴやマンゴーも入っているので、果物もはいってますよーというコンテを描きまして、イラストのアニメーションの提案とかも色々あったんですが、コマ撮り案が採用されまして、それで2タイプ作りました。

リンゴやマンゴーが増えていくのをコマ撮りして、その軌跡がポンポンと跳ねるようなイメージになる『跳ねるフルーツ篇』と、ケールの葉が鳥か蝶のように飛ぶ『空飛ぶケール編』です。

食材は全部本物です。ケールの葉っぱは形とか色がいいやつを選んでトップアイドル2枚と二軍10枚って呼んだり。そうそうケールの葉はつくってる農場でけっこう形が違うんですよ、丸いやつや細長いやつとか。フードスタイリストさんが色んなところから買い集めてくれたんですけど、本物の野菜を使う難しさをしりました。リンゴだとそんなに差がないから。

それでケールは本物なんで時間がたつとしおしおになってくるんですね、当たり前ですけど。なのでワンカットに見えるところでも、途中で撮影を中断して、水をいれた容器にさして冷蔵庫に保管して少し待つ、みたいなことを繰り返しました。主演女優たちの体調管理。

あとリンゴとかレモンがたくさん出てくるところは果物のしたに輪っかのスポンジを敷いてて、転がらないようにもしてます。

撮影終わったら果物はスタッフみんなで食べましたよ。撮影中もねマンゴーとか食べれてラッキーな現場でした。

最近公開されてのはこの2つかな。あ、もう1つ仕事やりました!

【いすゞプラザ】

車メーカーのいすゞのミュージアムが今年の4月にオープンしたんですが、その中の展示映像で使われるミニチュアの車のコマ撮りを作りました。

いすゞプラザ

監督というよりアニメーター的な感じで参加。映像はここでしか見れないので、なんとも説明できないなぁ。ミニチュアの展示物がすごいんですよ。すごい広い面積に街が1つ作られてて、その道路を車が自動で動くという展示がありまして、そのミニチュアセットの中で車とかちいさな人形たちをコマ撮りするというものでした。面白い経験でしたね。見せれないのが残念。他にも面白い展示があるはずなんで、車とかに興味ある方、もしくは車大好きな子供のいる親御さん!ぜひいすゞプラザに行ってみてください。

True Love Story

こんにちは。
みなさん、元気ですか?僕は風邪をひきました。セキが酷くて寝れません。医者に行って薬をもらって安静にしています。「忙しくしてて暇になったら風邪をひく」っていうのがパターンだと思ってたんですが、いま忙しい真っ最中なのに風邪をひいております。ご迷惑かけてすいません。

さて、そんな中、コマ撮りの新作を発表します。風邪を引く前に作ってきました。True Love Storyというタイトルです。ご覧あれ。曲がよいのヘッドフォン推奨です。

これが何のための映像だったかの話をしたい。

僕が普段音楽でお世話になっている樋口さんが4月15日に結婚式をあげました。おめでとうございます!それでプロフィールムービーを作ってほしいと頼まれまして、いままでの恩返しのつもりで作りました。
脚本とキャラデザは青柳貴哉さん。青柳さんは樋口さんの中学校からの同級生で、樋口さんとお笑いコンビ「ギチ」をしている、天才という意味で変態な人です。

その青柳さんがストーリーを考えて僕がそれをコマ撮りにするという感じでした。
二人で喫茶店で会ってストーリーを考えましょうってなって
泰人「何かアイデアありますか?」
青柳「まず男がおって、自転車に乗ろうとして」
泰人「はいはい」
青柳「そしたらカゴに鯛の頭が乗ってるんよ」
泰人「はい(?)」
青柳「そしたら甲冑男が刀を振り回してバーッて来て、男は逃げるんよ」
泰人「ふんふん」
青柳「んで、男の首が切られて、甲冑は鯛を持って去るんよ」
泰人「なるほど」

(青柳さんの口調はなんとなく再現)

こんな感じで打ち合わせは進みました。とにかく青柳さんはアイデアが出てくるので、僕はそれの手綱をゆるーく持っていきました。

首からイチゴが出てくるのは僕が前に作ったモンキーデッドに似た感じの描写があるんですが、青柳さんがそれが好きだからどうしてもやりていってことで、僕としては同じネタをやるのは嫌いじゃないので今回もイチゴを使いました。

モンキーデッドこちら。

これの音楽も樋口さんに作ってもらってるんですが、僕がこんなのを作ってるの分かってるので青柳さんとタッグを組ませたというプロデュースなわけです。

それでストーリーを全部書き出したらとんでもない量になってて、ストーリーが決まってから結婚式まで3週間しかなくて、どれかシーンを削れないかなって思ったんですけど、青柳さんがね「いやー、自転車のカゴに鯛が乗ってるってネタはいつかやりたいと思っとんたんよ。実現したらまじ嬉しいわー」っておっしゃったのよ。これはどのシーンも削れないなって覚悟を決めて、死ぬ気で二週間で美術作りと撮影を終えました。残り一週間で編集。

コマコマ隊の大賀くんにも手伝ってもらいました。キャラは基本的に画用紙でできてますが、甲冑だけフィギュアを買って色を塗り直したり部分的に改造してやりました。

音楽は樋口さんの弟子の宮川祐史くんがオリジナル曲を作ってくれました。僕から「すごい曲!とにかくすごいのを!」というアバウトでひどい感じの曲のオーダーでしたが、みごとカッコイイ曲を作ってくれました。マヂありがとう。

とにかく楽しかった。こういう勢いでもっと作品を量産できないだろうか。やる気の問題かな。

28cmの靴下

こんにちは。

9月3日です。まだまだ暑いですね。

8月は忙しかったです。4つも撮影がありました。

撮影日数は3日、1日、1日、3日だから合計すると8日程度なんですが、1ヶ月にこなす企画の数が4つというのは僕としては史上最多でして、大変でした。いや、サラリーマンの方々とかもっとたくさん働いてらっしゃると思うんですが。映像の監督ももっと多い人はいっぱいいるんでしょうけど。僕以外のコマ撮りの監督ってどれくらい数をこなすんだろう。僕って若手とか中堅とかっていうとどれくらいなんでしょうか。他の作家さんの話を聞きにいきたいなー。むしろコマコマ隊でトークイベントとか開いてみたいわ。

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前に撮影してきたIKEAのwebムービーが公開されました。

カタログでコマ撮りしてほしいって言われて、紙人形作ったりペーパークラフトしたりしました。すっごい楽しかったです。楽しかったですっていう記事をコマドリルにも書きました。記事はこちら↓

https://komakomatai.com/review_003_ikea10th/

これから自分が作ったコマ撮りはコマドリルに書いていくにことになるな。そしたらこの無重力はもっとコマ撮りの記事が減るなー。どっちにも同じことを書くのも大変だし、たぶん忘れてしまうなー。なので作品も見たい人はコマドリルも見てください。

まあ、こちらでコマ撮りの話が減るのはしょうがないかな。もともと無重力という名前はこのサイトとコマ撮り作品の関係を言ったものなので。サイトを作ったのは9年前ですが、僕が考えていることと僕が作っているコマ撮りにはあまり繋がりを持ちたくないと思っていたのです。今でもだいたいそう思ってます。自分の作品に私情のようなものを入れないというか。心の叫びを入れないというか。意図的に入れないというよりは入れるのが苦手なのです。そういうやり方で作品を作れないんです。だけど何かしら考えていることは吐き出したくなるので、コマ撮りとは別の日記を書くサイトがほしいなと思って作ったのが無重力なのです。

コマ撮りと日記の間に引力を感じないでやっていこう、と。

大げさに語りすぎですけど。

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先日、28cmの靴下を買いました。男性用の靴下ってほとんどが25~27cm用でして、服屋とかだとこれしか売ってないです。でもイオンのでっかい下着売り場にいったら28cm用ってのが売ってて、試しに買ったんです。僕の靴のサイズはだいたい27.5cmなので、もしかしたら靴下も28cmのほうがいいんじゃあ?って思って。

そしたらすっごく足が楽なのね。考えれば当たり前なんだけど27.5cmの足に27cm用の靴下は窮屈だったわけですよ。ぐいーって伸ばして履いてたわけですよ。

それで28cm履いたあとに元々持っていた27cm用の靴下を履いたら、もう窮屈に感じてしまいまして。(これ無理!!きつくて履いてらんないっ!!)ってなって靴下を全部買い換えました。

いままでなんとなく窮屈かなーって思いながら生きてて、でも28cm用の靴下って見たことがなくって、ようやく正解の商品を見つけたら、もう元には戻れなくなりました。27cmに我慢できない。

まあ、僕がバカだったというエピソードではあるんだけど、こういう当たり前だと思っていたことが実はマイナスだってこと、あるよねって言いたい。

知り合いにパイナップルアレルギーの人がいるんですよ。舌がピリピリするぐらいの軽度なアレルギーなんですけど、その人は大人になるまで自分がアレルギーだって気付かなくて、ずっと「パイナップルって食べると舌がピリピリするよなー、みんなよくあんな物を食べるよなー」って思ってたそうです。舌がピリピリすることが普通なんだと思ってた。

それで大人になってからある日知り合いに「パイナップルって食べるとピリピリするよね」って話して「え?ならないよ?」「え?もしかして自分だけ?」となって調べたらアレルギーだった、と。

これは本人も気づきにくいよね。わざわざ話さないと確認とれない。目とか耳に生まれながら病気とか障害がある人も気づきにくいし。

それが普通だと思ってることが実は自分だけだったということがあるなーって。悪いことだけじゃなくて、いいこともかな。自分が恵まれた環境にいることにも気づきにくい。27cmの靴下が窮屈だと気付けなかったように。

だからと言って、どうしたらいいのかはわかりませんが。