ホラーゲーム「クロックタワー」をやりました。
プレステ版のがPS3にダウンロードできるやつで。
ホラー映画とかホラーゲームが好きです。サイレンとかサイレントヒルとか。んで、古いゲームの粗いドット絵・粗いポリゴンだとか理不尽なゲームシステムとかのほうが怖いだろうと思ってやってみましたクロックタワー。
今日はゲームの話だけじゃなくてホラーの演出の話をしたい。だからゲーム知らない人も読める内容だと思う。クロックタワーのネタバレがあります。
クロックタワー面白かったです。怖いシーンもたくさんあったし。シザーマン(敵キャラ)はちょっと可愛かったけど。ゲームのボリュームはいまのものより圧倒的に少なくて、2時間くらいでクリアできてしまうけど、映画を1本見るくらいの感覚かな。いまのコンソール系のゲームって長いよね。ベヨネッタの頃から思ってるけど、ステージもストーリーもボリュームがありまくり。長く楽しめますけど。
クロックタワーはクリアまでは短いけど、エンディングがグッドもバッドもふくめて9種類くらいあって、何度もプレイできるってのがよかった。
さらに何度もプレイするための演出があって、アイテムの置いてある場所がランダムで変わるので「あれ、ここに鍵があるはずなのに、ないよ?どこ??」って慌てたり。シザーマンが出現するタイミングもプレイ次第で違うから「この部屋でシザーマンに襲われるはずだからこっちに行こう」って思っていくとそっちでシザーマンがでて「さっきはいなかったじゃーん!!」ってビビる。
だから2回目のほうが怖い。2回目ということで自分が敵よりも優位に立っていると思ったらそれを裏切ってくるからなおさら怖い。だから、アイテムの位置とか部屋の配置を久しぶりにマップを手書きでメモしましたよ。これも楽しかった。
で、本当に怖かったのはシザーマン(巨大なハサミで襲ってくる男)よりもメアリー先生。
ちょっとストーリーを言うね。主人公のジェニファーは孤児院育ち。今回、バロウズさんという方がジェニファーと孤児院の友人3人をまとめて養子にひきとってくれるということになり、メアリー先生の引率でバロウズさんの屋敷に行くところから話がはじまります。屋敷に着いたら突然シザーマンがあらわれて理不尽に友人たちが殺されていき、ジェニファーは必死に逃げて脱出を試みる、という話なわけです。
屋敷の中で逃げ回る中、実はメアリー先生が敵だったことがわかり、さらにメアリー先生がナイフで襲ってくるんですが、これも2回目のプレイの方が怖いんです。2回目はプレイヤーはメアリー先生が悪者だと分かっているんですが、主人公のジェニファーはそのことを知らないわけです。そういう状況でメアリー先生が「ああ、ジェニファー無事だったのね。よかったわ」っていうセリフがめちゃくちゃ怖いわけですよ。こっちのことを殺す気満々なのにやさしいセリフで騙そうとする。プレイヤーはわかっているから「ジェニファー逃げてー!」ってなる。
それで、僕の考えなんですけど、怖いのはハサミとかナイフではなくて、「殺そう」という意思じゃないかと。相手の殺意がわかった時にその人が笑顔だったらその笑顔ってめちゃくちゃ怖いわけですよ。怒った顔よりむしろ怖いですよね。この意味で逆に敵が怖くない例もあって、映画で『輪廻』っていうJホラーがありまして、不気味な人形を抱いた少女が何度も出てきて主人公を怖がらせるんですが、その少女が害意をもってやってきているのか全然わからないんですよ。『美女と野獣』じゃないですけど、人は見た目で判断しちゃだめという考えがあるから、「この一見モンスターなこいつは何を考えているんだろう」って思うとそいつが怖いのかどうかわからなくなっちゃうん。もしかしてその幽霊は助けを求めているかもしれない。だからホラーではモンスターは最初に誰かを殺すとかしてその悪意をちゃんと示してほしい。
というか『輪廻』の監督は『呪怨』の清水崇監督なんですけど、僕はこの人の映画がどれも怖くないんです。『呪怨』なんかオリジナルビデオの1と2、映画の1と2、ハリウッド版の1と2の計6本を見て「ぜんぶ怖くないし面白くない!」ってなってるんで(笑)その中で『輪廻』は怖いシーンがいくつかあってよかったけど、結局はメインの少女が怖くなかったのです。
ホラーについて語れることが結構あるなー。おいおい書いていくのかな。どうかな。ホラー映画も一般の人よりは多く(そしてマニアに比べると少なく)見てると思うんですが、これらの経験が自分の作品作りに活かされているとはとても思えない。この点で僕のインプットとアウトプットはまったくの別物だと思ってます。
さて、そんなわけで今はクロックタワー2がやりたい。