



【ヒットを予想するかという話】【僕のコマ撮りは基礎科学であって応用科学ではないという話】
ヒゲを伸ばして2ヶ月くらい経ちました。
伸びるの2cmで止まったと思ってたけどいま4cmくらいになった。
周りからは好印象なのでこのまま伸ばそうかな。
プロフィール写真とか撮り直さないとな。
【 ヒットを予想するかどうかって話 】
10年以上前のことですが、僕の『オオカミとブタ』がYouTubeでバズってテレビ番組の「ネットで話題の動画!」みたいな取材を受けたことがあります。10個以上うけました。そのときに何回か聞かれて返事に困った質問がありました。それは
「こんなにヒットするって予想してましたか?」
という質問。ヒットを予想してなかったのでそのまま「予想してませんでした」って答えてたんですが、なんかずっとモヤモヤしてたんです。最近になってその理由がわかったような気がしました。
まずはっきりしてるのは僕が作品をつくる時にヒットするかって考えてないということ。自主制作のときはってことです、仕事ならヒットした方がいいと思ってます。
他の作家たちってどうなんだろう。僕は「これを作らずにはいられない!」みたいな気持ちで作ってる。『魚に似た唄』のときなんか「これを作らないと自分の人生が1歩も前に進まない!」って思ってた。つまり自分のことだけ考えてたと思う。
ヒットについて考えることは、観客とか他の人のことを考えるってことだと思う。ヒットさせたいなら他人が好むものを作る方がいい。ビジネスと一緒。需要を見つけて供給する。だから売れるしヒットする。つまりあの質問は「リターンを予測して投資しましたか?」みたいなことなんだと思う。テレビ局の人たちはビジネスの観点で質問してたんだと思います。その考え方が僕と違ったから質問されたときに戸惑ったしモヤモヤしたんだと思う。
違う例えを思いつきました。
【 僕のコマ撮りは基礎科学であって応用科学ではないという話。】
基礎科学っていうのは世の中の真理を探求しようとする科学で、やろうとしてる実験がどういう結果になるかわからないけどやってみようというかんじ。そして基礎科学で得られた結果を人々の生活に役立つ形にしていくのが応用科学。
例えばいろんな化合物をつくるのが基礎科学で、出来た化合物の中から良さそうなやつで薬を作るのが応用科学。応用科学は人の役に立つかどうかが大事で利益に結びつく。
利益になるか分からないけど調べてみるのが基礎科学なので「この実験やったけど何もできませんでした」という結果も”意味がないことが分かった”という点で有益な情報となる。そういう実験結果の積み重ねで次の実験ができる。科学の世界はそうやって全体で1歩1歩進んでいく。
ヒットを意識するかどうかは応用科学の方だなと思ったのです。
僕は色んな素材でコマ撮りがしたくて、それはコマ撮りの可能性を広げたいってことだと思う。だから色々な素材でコマ撮りしてみるし、ヘンテコな作品も失敗ではないと思ってる。そして僕の作品を誰かがパクって次の新しいコマ撮りを作ってくれたら嬉しい。それは科学の論文の中で過去の論文を引用するのと同じだと思ってる。引用されるような作品を作りたいものである。
こんなことを書いておきながら最近は自主制作なコマ撮りやってないなと思い至る。またヘンテコなコマ撮りを作りたいものである。
2022.09.30