


作品づくりを麻雀に例える その2
僕は麻雀はしたことないですがルールくらいは知ってます。この麻雀の例えはまったくその通りだと思いました。
作品を作りはじめる能力と完成させる能力は違う。その両方を持ってないと作品は完成しません。
目の前にある牌をまとめあげるセンス。
僕の仕事をこの麻雀の例にあてはめると、コマ撮りという能力も牌の1つです。世の中には実写ムービーの牌、CGアニメの牌、イラストアニメの牌もあるけど、僕は「コマ撮りの牌」を基準にどういう役がつくれるかを考えないといけない。
そして局(案件)ごとに配牌も違う。広告代理店や制作会社も牌。これは変えられない。
そこにカメラマンや美術会社をどこにお願いするかということで牌の入れ替えを考える。さらに作品のテイストも選べるので牌を入れ替えが可能。
案件ごとにめざす役はあるけど、そのままで目指せるとは限らない。入れ替え可能な牌もあれば出来ない牌もあるので、できる役の中で高得点なものを目指すことになる。
僕はこの“現状でどれくらいの点数の役をめざすか”という意識が最初から強かったと思います。自分に何ができるのかを考えてから作るものを設計してました。
最初に作ったコマ撮りは空き缶がウロウロと動く作品でした。
映像サークルに入って僕は1ヶ月以内に5分つくらないといけないっていうノルマができた時に、絵も描けないし人形も作れないけど映像をつくる&時間がない
→空き缶をコマ撮りで動かせばいいじゃん!
という感じ。
自主制作であれば目指す作風のために新しい技術を練習して体得することはできます。牌の種類を増やすこと。でも仕事だと締め切りがあって、自分の牌を増やす余裕がないことも多い。そこで別のスタッフに仕事をお願いする。そうしてゲットした新しい牌がいま持ってる牌とうまく役が作れるかのバランスを見たり。
自分の配牌を無視した役を目指して、いつまでも役ができないまま(作品が完成しないまま)ずるずる過ごして、そのうちやる気もなくなってやめてしまうのは避けたい。
避けてほしい。
まずは自分が何ができるかを考えて、低い役でもいいからあがってほしい。どんな牌でも上手に組み合わせれば役にできる。
と、これから作品をつくる人に言いたい。
がんばって。
僕もがんばるので。
それでは。
【 作品づくりを麻雀に例える話 】
2021.09.06