ゲーム
2024年9月30日

ホラーゲーム「SIREN」のムービーなし演出がすばらしい。

ホラー映画も好きですが、ホラーゲームも好きなので今日は1番好きなホラーゲーム『SIREN(サイレン)』の好きなとこ語っていきます。


※ネタバレあります。

このゲームの屍人(しびとと呼ばれるゾンビ)のデザインがけっこう怖いので、ホラーが苦手な人は検索などしないほうが良いです。この記事では演出について語りたいので、屍人の画像は出さないようにしました。

SIRENとは

2003年に発売されたプレステ2用のホラーゲーム。3Dアクションです。

本物の俳優をつかっている


キャラクターが本物の俳優たちに演技をさせてその声とか顔写真をキャラクタにそのまま使ってるシステムが面白かった。映画っぽい。ローポリゴンな感じもホラーみが増してて良い。


ちなみにサイレン2の主人公は斎藤工さんが演じてます。

怖すぎで放送中止になったCMこちら

ゲーム内のムービーを使ってるのですが、本当に怖いです。

ストーリー

メインの主人公はオカルト好きな高校生の須田くん。彼が大量殺人事件があった廃村の都市伝説を知って確認しにいこうと山奥の村に行きます。そこで村人たちの宗教儀式を目撃し、そのあと村人に追われたり、バケモノが出て戦ったり。

ゲームは結構むずかしい

主人公たちの操作するキャラは基本的に弱くて、走り続けると息切れしたり、体力もけっこうなかったり、武器も火かき棒とか現実的に手に入る鈍器っぽいものだけだったり、敵から隠れたり逃げたりするのが基本になります。さらに敵は倒しても一定時間経つと復活するし、謎解きもヒント少ないっていうゲームとしてはかなり難しいです。

ゲームディレクター外山 圭一郎さん

後で知ったけど、このゲームのディレクターである外山 圭一郎さんは『SILENT HILL』も『GRAVITY DAZE』も作ってて、僕はどれもすごい好きだったから知った時はびっくりしました。

発売から20年ほどたってますが今でもファンの多い作品です。

プレイヤーを戸惑わせる演出がよかった

スナイパーのステージ

各ステージには終了条件と呼ばれるゴールが設定されてて、「どこどこへ行け」とか「なになにをゲットしろ」とかなんですが、そのなかに「スナイパーを倒せ」というステージがあります。

屍人(この世界のゾンビのような存在)のなかに猟銃をもってる屍人がいて、そいつを倒せというゴール。プレイしてってその銃を持った屍人がいるだろうところまで到達すると猟銃を持ったおじいちゃんな屍人が襲ってくるんですが・・・

このゲームでは、ステージごとに操作するキャラクターが違うんですが、このおじいちゃんは前のステージで自分が操作したキャラクターなんですよ。さっきおじいちゃんのキャラを操作して頑張ってプレイしてクリアしたのに、その後のステージで「あれ?この屍人って、さっきのおじいちゃんじゃないの?」ってなる。なるんだけど、ゲームは止められないから、屍人おじいちゃんはこっちを殺そうと襲ってくるからとりあえず銃で殺さないといけない。

5発か6発撃って倒すんですが、その最中プレイヤーは「これ、あのおじいちゃんだよね?え?倒すの?倒して大丈夫?でもめっちゃ殺しに来てるし、撃つしかないの?」ってなるんです。
なんでそんなに戸惑うことになるかというと

演出ムービーが入らないから

TVゲームをしていると、基本的にプレイする時と、ムービーを見るときが交互にきます。オープニングムービー見て、プレイがはじまって、要所要所の大事なところでまた特別なムービーが見れる。そのムービーがかっこよかったりCGが綺麗だったりして感動したりするんですが、そのムービーってその存在自体が「いまから特別なことがはじまりますよ」っていう予告になっています。
ボスが出てくる時にムービーがあって「このボス強そうだ」って思わされたり。

サイレンのこのステージも普通の演出ならスナイパー屍人が登場するところをムービーにして「さっきのおじいちゃんが屍人になってしまいました!」って見せつけてもいいのですが、あえてそれをしない。

普通のプレイする状態のまま屍人おじいちゃんがぬるっと出てくるから、プレイヤーは戸惑う。これがすごい良かった。倒した後はムービーがあるのですが、登場にムービーがないから説明なしに遭遇する。だからビビる。

さらにゲームをすすめるとそのおじいちゃんがどうやって死んだのかも明かされます。

怖い敵に遭遇する時もムービーがない。

他にも、頭脳屍人(ブレイン)と呼ばれる敵が途中からでてくるのですが、「頭脳屍人(ブレイン)を倒せ」という終了条件が文字で出た後にプレイが始まるけど、ブレインがなんのことか全然説明がないし、ステージの中でその敵を見つけると、それが頭がすごい気持ち悪く変形した屍人なんですが、それもムービーなしでいきなり遭遇するからすごいビビる。しかもブレインはすぐに走って逃げるから「え?いまの何?なんか変だったよね?」って戸惑わう。実際にプレイしてて本当にびっくりしたし戸惑いました。

この「演出ムービーなしで、事件に直面して戸惑う」っていうのはとても現実的だと思うんですよね。
大事なイベントが大事だと知らされずに始まってしまう。映画やゲームだったらそこに演出を加えたムービーにすることで「これは大事ですよ、いまからすごいことが起きますよ」ってわかりやすくするわけですが、あえてそれをしないで観客を困らせる。ホラーだとそういう演出をしないのが逆にイイ!!って思いました。

他に好きなところ

群像劇でどんどん主人公たちが死んでいく。

プレイするキャラクタは主人公の須田くん以外にたくさんいます。年齢もおじいちゃんから小学生まで。それぞれできることが違ってるのはゲームとしても面白いのですが、それが物語が進むとだんだんと死んでいてしまう。このゲームのキャッチコピーは「どう足掻いても絶望」というものなんですが、さっきまで自分が頑張ってプレイしたキャラが次のときには死んでたりして、がんばったのに報われないという絶望感と無力感を味合わされます。

前田知子のステージ

そのなかで、中学2年の女の子、前田知子のステージと終わり方が特に良いので書きます。
この村ではどんどん人が死んで屍人(ゾンビ)になっていく。そのなかで前田知子は両親が隠れているという教会に向かいます。前田知子を操作して進むわけですが子供なので戦うこともできず、徘徊する屍人から必死に隠れながら、足音をたてないようにしゃがみ歩きとかしながら教会にたどりつきます。

ここからムービーで、知子ちゃんが教会の窓から中をのぞくと両親が教会の椅子にすわって眠っているのが見えます。そこで知子ちゃんは窓を叩きながら「おとーさーん、おかーさーん」と何度も声をかけます。でも両親はなかなか目を覚ましません。この時点でプレイヤーは「いやいや、これ、両親とも屍人になってるっていうオチじゃないの?」って思うのですが、目覚めた両親は知子のほうを見て驚いた顔をします。そこでカメラが知子の顔をうつすと、知子の顔が屍人になっているという。

このゲームは3人称視点で、プレイ中はキャラクターの後ろ姿しか見えないんですね。

ムービーがはじまる前の段階、プレイしてた段階で知子ちゃんはすでに屍人になりかけてたってことなんですが、プレイヤーは顔が見えないから気付けないという。

ホラー映画でもそうだと思うんですが、メインキャラクターがたくさん死んでいく方が怖いと思うので、この群像劇というシステムにして、プレイできるキャラをたくさん用意して、どんどん死んでいくとプレイヤーは操作して愛着がわいたキャラが死んでいくことになってより絶望を味わいやすいのかなと思います。

屍人の独り言

この屍人(しびと)ゾンビみたいなやつなんですが、彼らは意識が朦朧としてそうだけど生前の記憶みたいのが少し残ってるという設定でして、生きてる時にしてた行動をくりかえすっていう。なので農家のゾンビは草刈りしたり、看護婦のゾンビは病院で見回りとかをしてて、たまにちょっと喋るんです。その独り言がけっこう怖い。「こんな仕事やってられないわぁ〜」みたいなことをフラフラしたゾンビが言うんです。

プレイしてるときはその屍人の横をしずかーにしゃがんで歩いてるときに、突然そんな事を言われたりするので、プレイしててビクってなります。なんというか、こっちを襲ってくるときよりも、こっちを無視してるときも怖い。このゲームのそういうところがすごい好き。

村社会のじめっとした人間関係もいい。

このゲームはメインキャラがたくさんいますが、そのほとんどが村の人というのも個人的に好きでした。村でもとから生活する人だったり、なんなら村のあやしい儀式に関わっていた人たちもいます。ゲーム中に「村で起きたことは村の人間がなんとかするんじゃ」みたいなセリフもあります。

このキャラたちの人間関係もめんどくさいことになってて、双子の兄妹がお互いに嫉妬してたり、病院の先生は看護婦とつきあってたけど、殺しちゃってその看護婦が屍人になって襲ってきたりしてて、このゲームのキャラの人間関係がごちゃごちゃしてる。

ホラー映画でよくある設定は、主人公は異変が起きる村にたまたま訪れてしまった外部の人っていうもの。大変な事件が起こるけど、事件が解決したら主人公は普通の生活に戻る、というのが多いですよね。つまり主人公たち外部の人間からしたらその村での出来事は、特別な場所に行って帰ってくる遠足みたいなイベントで、さいあく全部爆破してでも脱出できればとりあえずOKみたいな感覚がある。目的が脱出だけなら単純な話になる。

でも村出身の人からしたらこの事件が解決したって、どこにも行く場所がないからすっきりした解決はしなさそうっていう、村社会のじめじめした感じも好きでした。

その逆でサイレン2は外部の人間がけっこういるんですよね。個人的にはそれがあまり好きじゃなかった。こんな理屈で考える人もそういないと思うけど。

本当はこのゲームの「視界ジャック」っていう画期的なシステムとか、前田知子ちゃんがゾンビになったあとにお父さんお母さんもゾンビになってゾンビ一家団欒をみせるシーンとか、も語りたいけど今日はこのへんで。

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