月別アーカイブ: 2016年6月

俺はまだこのクソ地獄にいる。しかし、生きている。除隊も近いだろう

『フルメタルジャケット』を見ました。キューブリック監督のやつ。初見です。

話は訓練時代と戦場の2部構成って感じだけど、後半は起承転結があまりないというか、徐々に話が進んで、なんか終わったという印象。

うーん、この映画はよく分かんなかった。いやストーリーとかは分かったけど、そこから何を考えたらいいかぜんぜん分かんない。たぶん僕の頭が悪いから。

訓練のときの教官とか、最後に銃うっちゃう太っちょとか、戦場での色んな人たちが歪んでいるというか歪んでいくのが描かれてると思う。それがリアルな描写なのか、誇張なのか、戦争を皮肉ったものなのか分からない。僕は戦争の経験もないし。戦場だとこんな感じになるのかなー、くらい。

もしかして、ホラーとかサスペンスをよく見てるから歪んだ人の描写に慣れてたりするのかな?(笑)

いやー、映画のことをここで書いてますけど、別に考察とか上手くないし、感想もここが好き!くらいしか書けないので、稚拙な感想で申し訳ないです。申し訳ないけど、しゃーないわ。考察はネットのどこかで誰かがしてるだろうから、そっち読んで。

そうそう、最近はそうでもなくなったけど、僕は感想が全然出てこない人なんです。映画を見ても良いか悪いか分からなくて、すぐにネットのレビューサイトを読み漁ってました。それで他の人が「ここが良い!」ってのを読んで(そうか、あそこは良かったのか)ってなって「ここが悪い!」ってを読んで(そうか、あそこは悪いのかー)って思ってました。本当に全部を鵜呑みにしてた訳ではないけど、人の感想が最初にあって、そこから自分はどうだろうみたいに考える感じ。

いまはどうだろう?自分ですぐに感想を出せるかな?うーん、この演出が好きとか思うことはたまにあるけど、あんまり感想が出てこないことも多いね。まあまあ面白かった、みたいな。そういえば読書感想文も苦手だったなー。読んだ感想なんて「面白かった」「面白くなかった」くらいしかないし、読書感想文の書くコツみたいなやつで「読んでる途中で何を思ったか書こう」ってのも(つぎはどうなるんだろう?)くらいしかなかったしなぁ(笑)

全ての作品に色々言える人はすごいなって思う。

そうそう、監督とか俳優の名前は全然覚えません。全てのストーリーは独立しててそのまま自分の中に入ってきてほしいので「この俳優は前にこんな役をやっていた」とかって考えたくないんです。あまりメタ的になりたくないのです。教えてもらったときはフンフンって相づちしますが。

 

ハウツー本はどうでもよい時に役に立つ

『荒木飛呂彦の漫画術』という本をお勧めしたい。

ジョジョの荒木先生が書いた本ですが、どういう考えで漫画を作っているかが事細かに書いてあります。めちゃくちゃ良かったです。キャラクター作りとストーリー作りについてもしっかり描かれているので映画とか小説とかを作る人にもオススメ。そういうの以外でも自分で何かを作ろうと思っている人は読んだらいい。プロはそこまで考えて作っているのか!!と度肝を抜かれます。荒木先生の意識の高さにビビると思う。

この本のいいところをあげようと思ったらすべてのページを引用しかねないので、やめときます。読んで。ジョジョを読んでなくったって読んで。

で、学生さんたちに向けてアドバイスをしたい。
こういうハウツー本を見るのを敬遠する人いませんか。「影響を受けすぎるのが怖いから」と言って。たしかに、こういう本のやり方を読んでそれに縛られてしまうことってあります。絶対にこうやらなきゃいけないんだ!って思い込んでしまう。それは良くないなーって個人的には思います。映像制作だとストーリーを決めるのにもテーマとか考えさせられたり、撮影の前にコンテを書くのが絶対みたいに言われるけど、コンテとかなくっても作れるしね。一人で作る時はむしろコンテを作るのに時間かけても意味ないこともありますし。

本当のところを言えばものの作り方というのは人それぞれなんですよ。各作家が自分にあった作り方を見つけるのが一番いいんです。なぜいいかと言えばそれは自分自身にストレスを与えないことで、長い期間ものづくりが続けれるからです。そういった意味で効率がよいんです。

それで、自分にはどんな作り方が向いているのか、これを言語化することは大変難しいですが、体感としてはみんなあるはずなんです。そういうのをなんとなくでもいいので自分で見つける前につくり方の本を読むと、それに縛られてしまうことがあります。それは危険な気がする。だから僕としてはオススメなのは2〜3作品くらい作ってから読むこと。そうすると、本の内容に対しての良し悪しを判断できます。「あ、このやり方のほうがいいじゃん、自分がやってたのってなんてバカだったんだろう」と思ってそのやり方を採用することは当然あるでしょう。それは失敗を経験しているからその本のやり方の価値が分かるようになったわけで、大きなプラスだと思います。逆に「この本ではこういってるけど、これは自分にはあわないな」と思って拒否するのも全然いいです。効率の良さ以外に自分の感覚にあっているかどうかはとても大事な判断基準です。そしてそういう肌感覚みたいなものは一度は自分で作っているからこそできる判断なのです。

なのでまだ1つも作ったことがない人には、本を読む前に、非効率的でもいいしメチャクチャでもいいので1つは作ってからハウツー本を読んでほしいと思っています。
始める前に読んでしまって、考え方をがんじがらめにしてしまった人が知り合いにいたのです。最終的にその人は「つくり方のルールに縛られなくってもいいじゃん」って気付けたんですが。

さて、続き。いくつか作品を作ってきた上で「本の影響を受けるのが怖い」と思っている人へ。
読んでも大丈夫ですということを言いたい。がんじがらめになってしまうパターンでなければ、こういう本に書いていあるテクニックというのは(変な言い方になりますが)どうでもよい時に役に立ちます。
これは芸術家・作家などの場合ですが、その人がどうしても作りたい作品があったとき、描きたいストーリーとかイラストとかがあったとき、ハウツー本に書いてあることは全然意識されません。「だって私はこれを描きたいんだもん!」と言って作りましょう。
そうでなくて、たとえばイラストを例にすると「メインのキャラの色はできたけど、こっちのキャラの色どうしようかなー」ってなったときに補色の関係のことを思い出して「あ、じゃあメインキャラと逆の色にしたら目立つかな」って感じ決めれたりします。自分の情熱で決めれないときに、知識でものごとを決定できるのです。
あと決定をしたものに不安がちょっとあったときに「この色は暖色系のいろだからここにはあってるんだよね」とか根拠を補強できます。

自分の決定に情熱があるときは「これは理屈で言ったらダメだけど、あえてこっちをしたいんだ!」と思ってる時は知識はどっかに捨てたらいいんです。作った後にそれが良かったかダメだったかがわかるでしょう。

これは芸術作品みたいなときの話ですけどね。
デザイナーとか仕事の話になってくると、他人にどう伝わるかが大事になってくるからハウツー本に書かれた知識はより大事になると思います。それでも個人の感覚を信じて作ったらいいと思っていますが。

というわけで、本とかはちょっと作ってから読んだらいいと思ってます。

作品作りが10段階なら

作品づくりについて。何かを作る工程を10段階にわけるとします。スタートは1ね。1から作る。いなり余談だけど、0から作るって言わずに1から作るって言いたい。

アリストテレスって人の言葉で「芸術は自然を模倣する」というのがありまして、美しさというのは自然の中にあるので、芸術はそれを真似するだけだ、みたいなそんな言葉だと思う。花が美しいから花を描いて、動物が美しいから動物の彫刻を作る。それ以外にも、小説や映画のストーリーだって、その作品の前に作者の日常生活が存在するからそこからストーリーが作られて、受け手の日常生活が存在するからストーリーから感動を得れるわけでしょ?作品の前に日常がある、つまり作品の前に自然がある。そしてその自然はビックバンで出来たとしたら0から1を作ったのはビックバンで、芸術家はその1から2とか3を作っていくんだと思う。言葉だけの話ですが。これは余談。

本題。
1から作り始めて完成が10だとするでしょ。アイデア出すのが1~2とか、作り始めて3~6、作り続けて7~8、仕上げが9~10だとするでしょ。個人で作る人というのはこの1から10を全部やらないと作品は完成しないんですよ。で、初心者はこれらのどれか得意な部分ばっかりをしがちだという話ですよ。

イラストレーターになりたいのに女の子の顔だけ描いててもだめですよ。しかも左向きの顔ばっかり描いててもだめですよ。全身を描いて、背景まで書いて、清書して、彩色までしないと10にはたどり着けないですよ。小説ならキャラクターと設定を考えるだけじゃなくてエンディングまで書ききらないと、完成じゃないですよ。逆に同人誌とかで既存のキャラクターでお話を作っている人は最初の1をさぼっているって言い方ができると思う。

そして1~4とかばかりしてても7~10の力は付かないんですよ。作り始めの前半と膨らましていく中盤と、まとめたり仕上げたりする後半はやっていることが違うし、使ってる脳みそやセンスも違う。それぞれを経験しないと、それぞれが上手くならない。そしてどの段階もできないと作品は完成にいたらない。作りかけの作品がたくさんある学生よ。1から7までばかりを練習してもだめだぞ。8から10の練習もしないとだめだぞ。

がんばろう。

と、ここまでは学生とか個人作家の話なんですが、仕事ならこの1から10までの得意不得意を人と協力することで埋め合わせることができます。仕事ですと基本的に発案する人と、具体化して実現する人と、仕上げて体裁を整える人は違います。それらすべてを指揮する人もいるけど。

というわけで、言いたい事は仕事の種類はいろいろあるけれど、自分が何に向いているかというのはジャンルとかだけでなく、作品作りのどの段階に携われるかで考えるのもいいと思ったのです。1や2が好きな人はそこをするし、逆に1や2が苦手な人は後半を担当すればいい。

僕は1に近い部分がやりたい人です。中盤や後半は他の人に任せたりしても嫌じゃない。全部一人でやりたい人もいると思いますが。ただ、自分がどの段階がしたいのかというのはいくつも仕事をしていかないと分からないところですけどね。