前回は「数字にとらわれると本質を見失う」って書きましたが今回はその逆を書きます。
まずこちらの本から引用
「駆け出しクリエイターのための時間術」

著者の三浦崇典さんはカメラマンで自分の会社経営をしつつコンサルなどビジネスを色々している。その著者がフリーランス向けの時間管理について書いた本。すごいね、自分を管理してクリエイティブを発揮する方法が書かれています。いくつか例を。
スケジューリング
1週間のスケジュールの時間割りを作り、時間のブロックごとにこの時間はこの種類の作業をするとあらかじめ決めてスケジューリングする。1つの作業の終わり時間が決まっている(その後は別の作業がある)という締め切りを設定することで集中して作業できる。
あたらしい仕事も、そのブロックごとにはめていくので悩まずにスケジューリングできる。
執筆
原稿の執筆も「40分書いて、20分休憩」というサイクルをつくる。そして40分で5000字書くという目安も設定する。この設定を見極めるためにトライアンドエラーをくりかえしたらしい。
写真のレタッチ
写真のレタッチ作業も「100分で1000枚する」と設定をきめる。
さらに撮影した写真の良し悪しを星の数で記録して(カメラマンの現像ソフトCapture Oneには星の評価をメモする機能がある)、撮影した写真の何パーセントが星5かを記録する。その記録を撮り続けた結果、星5の写真の割合が徐々に上がったそう。無駄な写真を撮らないぞ、という意識が生まれるからでしょう。
スーパーマーケットの買い出しの例
ネットで見た動画で(たぶん2ちゃんねるのまとめ)、スーパーマーケットの買い出しの方法が面白かった。
月の食費を設定して、月に何回スーパーに行くか決めて、買い物1回分の予算を決め「肉類はいくら」「野菜にいくら」「飲み物にいくら」と設定をすると悩まないという話。
この投稿者はおそらく一人暮らしで、食事のメニューも自分でコントロールできているからそこまで決めれるんだと思う。
自分のコントロールする感覚
スーパーの投稿を見て、僕が感じたのは、数字を決めることで自分でコントロールする意識をもち積極的・能動的に買い物をするという意識が大事なのだと。
スケジューリングも、執筆の文字数も、現像写真の星5もそうだし、あと記録をつけるダイエットもたぶん同じ理屈。何もわからないままだと漠然とした不安をもつし、ものごとに受け身になってしまう。自分がやることなんだけど受動的な行動になる。でも、自分の行動を記録して数字にすると見える火されて理解しやすくなる。
僕は仕事でカット数が多くて尺がながい動画を編集する時に、スプレッドシートにカット表を作り、編集の進捗をカット数と全体のパーセンテージで記録を書いたことがあります。締め切りまでの日数とそのパーセントを見比べて、急いだ方がいいか見ていたのです。
前回の『修行論』の話からすれば、こういう記録をとることは本質的ではないかもしれません。「良い作品をつくること」とは直接関係がないけど、数字で見れば自分が安心して能動的に作業がすすめられる。そうすれば100点のクリエイティブはつくれなくても80点とか90点をめざせるんじゃないかなというのが今の僕の考えです。
クリエイティブに関していえば、数をこなして技術を磨くのが必要だと思うので、繰り返し作品を安定してつくるためには、数字によって自分をコントロールするのが有効なのでは?と思いました。
今日紹介した「駆け出しクリエイターのための時間術」は、”天才でなくともクリエイターになれる””クリエイティブを仕事と割り切る”と言っていて、たぶん多くのクリエイターがここに当てはまるし、書かれている内容も、インプットやアウトプットのしかた、隙間時間の使い方など、他にもさまざまなテクニックが書かれていてけっこうためになることが書いてあると思います。
前にも紹介した記事あるのでよければ読んでみてください。
